レッド・プラネット:火星の生命を探る(2)
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かつて湖があった頃
マウント・シャープは酸性環境だった?

• 火星のデイル・クレーター内を探索中のオポチュニティが1月29日に、第2回目の掘削を実施したとNASAが発表した。今回の掘削場所は、兼ねてより興味が持たれていたマウント・シャープの山すそ部分。マウント・シャープはデイル・クレーター内の中央部に泥が堆積して形成されたもので、何層にも積み重なってできた岩の写真を以前に撮影していた。

• キュオリオシティは5ヶ月前にマウント・シャープの山すそ部分に到着し、調査に最適な場所を探していた。前号で報告した水を含む岩を掘削したのは昨年9月で、デイル・クレーター内の“コンフィデンス・ヒルズ”と呼ばれる場所だった。今回は“モハーヴェ2”と呼ばれる堆積が始まった頃の土が採掘された。
• キュオリオシティに搭載されているラボの分析によると、かなりの量の鉄ミョウバン石を含んでいつことがわかった。鉄ミョウバンは鉄や硫黄を含む酸化したミネラルで、酸性環境を作るものだという。

• 今回分析した土は、コンフィデンス・ヒルズのものよりも多くの鉄ミョウバン石を含んでおり、モハーヴェ2の堆積土が形成される時に酸性環境にあったのか、堆積土が形成された後に酸性の強い水に浸されたのかという疑問が浮上する。新しく採取された土の分析は始まったばかりで、今後も分析が続けられる。掘削が行われたのはどちらもパーランプ・ヒルズと呼ばれるマウント・シャープの根元が露出している部分で、キュオリオシティの研究チームは、かつての湖底に干ばつと浸水の繰り返しにより泥が堆積し、マウント・シャープが形成されたものだと予測していた。マウント・シャープはワシントン州にあるレーニア山(標高4,392m)とほぼ同じ大きさ。ちなみに火星の重力は地球の約38%。マウント・シャープの山すそに着いて以来、キュオリオシティは掘削に最適の場所を散策していたという。

• 今回モハーヴェが掘削場所に選ばれたのは岩の表面に米粒ほどの粒が多く見られたため。これらの粒が湖底の水の蒸発によって作られた塩であるか、他の物質であるかを今後調べていく。
• モハーヴェ2の岩は非常に柔らかく、崩れないように細心の注意を払いながら掘削された。また、キュオリオシティのエネルギー消耗を抑えるため地面を叩く感じで、10分をかけて直径1.6cm、深さ6.5cmの穴が掘られた。今後キュオリオシティは同じパーランプ・ヒルズ内で1、2回のサンプル採取を行い、マウント・シャープを上っていく予定。キュオリオシティの使命は、古代の火星の住み良い頃の環境を探ることと、環境の変化を探ることだと研究チームは述べている。

• マウント・シャープとは違う話題だが、火星には過去の文明を想像させる写真がある。女性の顔のような写真はNASAのマース・グローバル・サーヴェイヤー・オービッターが2005年9月までに撮影した写真の中の1枚で、ロッシュモアを思わせる写真。
http://www.msss.com/moc_gallery/ab1_m04/nonmaps/M0203051.gif
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マウント・シャープの山すそにある堆積岩
かつてクレーター内には湖があり、その中心に土が堆積してマウント・シャープが形成されたと見られている。
(写真= NASA提供)


右の細長い写真の下の方に、ロッシュモアを思わせる部分がある。
(写真=Mars Orbiter Camera Image Gallery提供)