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お疲れさまLADEE
月探査宇宙機、使命を終え月面に衝突

 NASAの発表によると、月探査機LADEE(Lunar Atmosphere and Dust Environment Explorer)は21日に燃料が尽きる予定だったが、その前の17日に月の裏側に衝突し使命を終えた。LADEEは15日早朝の皆既月食による急激な温度低下を乗り切ったが、NASAは燃料切れ以前の17日に月面落下を決めた。

 使命を終える前のLADEEは、月面から1,600メートルの高度を秒速1.6㎞のスピードで飛び、最後までデータを送り続けた。LADEEは自動販売機ぐらいの大きさで、月面衝突の衝撃でバラバラになったと見られる。衝突時は数百度になり蒸発してしまった部分もあるという。正確な衝突場所はNASAにも分かっておらず、月を周回している偵察衛星リコナサンスに様子を探らせる。月にはしばしば隕石が落ちており、LADEEの衝突は月の環境に影響を与えるものではないという。

 長い間月には大気がないと思われていたが、複数のアポロ飛行士が日の出前の朝焼けが起きることを報告していた。また、月の極地に氷があることも分かり、薄い大気があることが近年になって分かった。LADEEの目的は、月の大気のデータ収集が主な目的だった。今後のデータ研究により朝焼けが起きる理由も明らかになると期待されている。
 また、月の大気の構成は水星や小惑星、大型惑星を回る衛星や海王星軌道外のカイパー・ベルトにある天体とも共通すると考えられており、LADEEのデータが役立つことになる。
 LADEEのもう一つの目的はラジオ派に代わるレザー通信のテストだった。同テストにより約38万㎞離れたLADEEと地球間で1秒あたり622メガバイトの通信を記録した。
 LADEEは2013年9月6日に打ち上げられ、同年10月6日に月に到達。11月20日には正規の赤道周回軌道に乗り、予定されていた100日間の調査を終了した。その後は2,000メートルから3,000メートルの高度で月を周回していた。

火星に不思議な光の柱

 NASAの火星探査機キュオリオシティが4月2日と3日に撮った写真が話題になっている。
 キュオリオシティがキンバリーと呼ばれる場所で撮ったもので、地平線近くに光の柱のようなものが輝いている。写真は白黒で夜のように見えるが、実は午後の光景。探査機から見て西北西の方向に写っている。
 キュオリオシティのナビゲーション・カメラの運営を担当しているNASAジェット推進ラボのジャスティン・マキ氏によると、キュオリオシティから受信した写真は数千枚あり、このような光が写り込んでいる写真は毎週のようにあるのだという。同氏は宇宙線がカメラの光検出器に当たったか、太陽光線が石の表面に反射したものだろうと述べている。もし、太陽光線の反射ならば探査機からの位置関係から計算して約160メートルの所にある。
 ただ不思議なのは、光の柱が写っているのはキュオリオシティの右目のカメラの映像であり、一秒以内に同じ場所を撮った左目のカメラには写っていない。マキ氏は「通常、光が写っている時にはすぐにその理由を見つけ出すことができるが、今度のケースはそれほど単純ではない」と述べている。
 火星はかつて地球のように水があり生命を育む環境にあったことが明らかになっている。また、2004年に探査機スピリットが撮影した写真には人影らしきものが写っていた。ネズミやトカゲのような動物の形が指摘されている写真もある。それらについてNASAはノーコメントだが、オバマ大統領の率先によって2010年に決まった人間による火星探査の準備は着々と行われている。
 火星までは片道少なくとも6ヶ月を要し、宇宙飛行士の健康問題が解決されなければならない。キュオリオシティは火星表面に届く宇宙線のデータを地球に送り続けている。
 火星行きの第一歩となるのは地球を周回する宇宙ステーション。次のステップは有人宇宙船オリオンによる小惑星獲得。2025年までに小惑星をとらえて地球近くに運び、月の軌道に乗せることになっている。より遠くの宇宙へ行くために、より推進力のあるエンジンの開発が進んでいる。また、より強力な宇宙船打ち上げシステムも2018年から運営が始まる。
 オリオンが地球に帰還すれば、いよいよ火星行きが間近になる。2030年代には火星の光の柱や人影が何であるか解き明かされることになるだろう。

NASA提供
NASA提供