Kyodo News

12月20日

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米、10年で170兆円減税
上院も可決、大統領署名へ

 【ワシントン共同】米議会上院は20日、トランプ政権の最重要課題である税制改革法案を可決した。下院は19日に可決しており、大統領が署名すれば成立する。サンダース大統領報道官は20日、トランプ大統領が税制改革法案に署名するのは「21日以降になる」と記者団に述べた。現在35%の法人税率を21%に大幅に引き下げることが柱で、減税規模は2018年からの10年間で1兆5千億ドル(約170兆円)程度に上る。経済政策の看板である大型減税の公約が実現する。
定数100の上院は、賛成51、反対48の僅差で可決した。がん療養中の議員1人が棄権した。

20日、記者会見する米共和党の幹部=ワシントン(ロイター=共同)


米、中国に北朝鮮制裁案を提示
10隻入港禁止も申請

 【ニューヨーク共同】米国は19日までに、核・ミサイル開発を強行する北朝鮮に対する国連安全保障理事会の追加制裁決議案を中国に提示した。ロイター通信が伝えた。内容は不明。まだ中国側の同意は得られていないが、米国は早期の採決を目指している。
これとは別に、米政府は安保理の北朝鮮制裁委員会に対し、制裁違反の疑いのある北朝鮮船籍などの貨物船10隻について、国連加盟国の港湾への入港を原則禁止にするよう申請した。安保理内で21日までに異論が出なければ禁止される。安保理外交筋が明らかにした。


米国務次官補にソーントン氏
アジア外交の司令塔

 【ワシントン共同】トランプ米大統領は、東アジア・太平洋地域を担当する国務次官補に、現在代行職を務めているスーザン・ソーントン氏を指名した。ホワイトハウスが19日発表した。アジア外交の司令塔となる重要なポストだが、今年3月にダニエル・ラッセル氏が退任後、空席になっていた。就任には上院の承認が必要。
トランプ政権は駐韓国大使として、ブッシュ(子)政権で北朝鮮核問題を巡る6カ国協議次席代表を務めたビクター・チャ氏の指名を近く発表する見通しで、対北朝鮮外交に本格的に取り組む布陣が整いつつある。

米国務次官補に指名されたスーザン・ソーントン氏=6月(共同)


安保理、米が批判決議に拒否権
エルサレム問題

 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は18日、パレスチナ問題を巡る公開会合を開き、エルサレムをイスラエルの首都と正式認定したトランプ米政権を批判し、認定の撤回を求めた決議案を否決した。15理事国のうち14カ国が賛成したが、常任理事国の米国が拒否権を行使した。
否決後の討論では、米国の同盟国からも「一方的だ」との批判が相次いだ。
決議案は1ページの簡単な内容で、米国の名指しを避けつつ「エルサレムの地位を巡る最近の決定に深い遺憾の意」を表明。全ての国々に対し、エルサレムに大使館を置かないよう求めた。


メイ英首相、トランプ氏に異論
エルサレムを首都認定の問題で

【ロンドン、ワシントン共同】英国のメイ首相は19日、トランプ米大統領と電話会談し、エルサレムをイスラエルの首都と認めたトランプ氏の判断に異論を唱えた。英首相官邸が明らかにした。
英政府はエルサレムの扱いについて「イスラエルとパレスチナの交渉によって決められるべきだ」とし、首都認定には賛成できないとの立場を既に表明している。
両首脳は中東和平実現に向けて米国が新たな提案を行うことが重要との意見で一致した。内戦が続くイエメン情勢についても話し合った。


首都認定で国連総会の緊急会合へ
米国への批判決議を採択

 【ニューヨーク共同】トランプ米政権がエルサレムをイスラエルの首都と正式認定した問題で、21日午前(日本時間22日未明)に国連総会(193カ国)の緊急特別会合が開催されることが19日、分かった。ライチャーク国連総会議長が加盟国に通知した。
ロイター通信などによると、米政府を批判し首都認定の撤回を求める決議案を採決する。圧倒的多数の賛成で採択される見通しで、米国の孤立が一層際立ちそうだ。ただ、総会決議に拘束力はない。
国連安全保障理事会は18日、パレスチナ問題で会合を開き、同趣旨の決議案を採決したが、常任理事国の米国が拒否権を行使して否決された。


1月16日に北朝鮮問題外相会合
米カナダ共催、日韓も招待

【ワシントン共同】ティラーソン米国務長官とカナダのフリーランド外相は19日、オタワで会談し、来月16日にカナダのバンクーバーで北朝鮮問題に関する外相会合を開くことで合意した。朝鮮戦争の国連軍参加国に加えて、日本、韓国、インド、スウェーデンも招く。会談後の記者会見で発表した。
ティラーソン氏は会見で「北朝鮮が核放棄し、われわれが非核化を確認するまで、圧力政策を強化し続ける」と訴えた。フリーランド氏も「北朝鮮の危険で違法な行為に対して、国際社会の結束を示す」と語った。


米国第一の安保戦略を公表
中ロに対抗、北朝鮮とイラン非難

 【ワシントン共同】トランプ米大統領は18日、政権初の包括的な安保政策「国家安全保障戦略」を公表した。演説でトランプ氏は米国の国益を最優先する「米国第一」に基づく戦略だとし「米国は再び強くなる」と強調。「中国とロシアは米国に挑戦するライバル」と対抗意識を見せ、世界での米国の政治、経済的優位を保つ方針を表明。核や生物化学兵器を追求する北朝鮮とテロを支援するイランを「ならず者政権」と非難した。
トランプ氏は、国際社会は「新たな競争の時代にある」と指摘。新戦略は、ライバル国に関与すれば信頼関係が構築できるとの前提に立った安保政策が見直しを迫られていると主張した。


EU、対ポーランド制裁へ
司法改革、法の支配に逆行

 【ロンドン共同】ポーランド政権与党の「法と正義」が進める司法介入に道を開く司法制度改革について、欧州連合(EU)欧州委員会は20日、法の支配に反するとして、制裁手続きに着手すると発表した。同手続きに入るのは初めて。実現すればEU内での議決権が一時停止される。
今回のEU側の措置で、ポーランドや、同様に強権的支配を強めるハンガリーなど他の東欧諸国と、独仏など西欧の溝が深まるのは必至だ。ハンガリーのオルバン首相は以前から、拒否権を行使して制裁実施を阻むと表明。このため制裁に至る可能性は低いとみられている。


カタルーニャ州議選、21日投票
独立問題争点で大混戦、スペイン

 【バルセロナ共同】スペイン北東部カタルーニャ自治州(州都バルセロナ)の独立問題を争点とする州議会(135議席)選挙が21日行われる。4選挙区の比例代表制で、同日夜(日本時間22日午前)にも大勢判明の見通し。大混戦で、連立交渉を経た州政権成立まで数カ月かかるとの見方が大半を占める。
終盤の世論調査によると、左派系独立派と反独立の新興中道右派、保守系独立派の3勢力がそれぞれ予想得票率約20%、議席数30前後でほぼ横一線。政治学者パブロ・シモン氏は地元メディアに「どこが第1党となっても、議会過半数が支持する政権樹立は困難だろう」と指摘した。

スペイン・カタルーニャ自治州議会選の選挙戦を締めくくる集会でスクリーンに登場したプチデモン前州首相(中央)=19日、バルセロナ(ロイター=共同)


EU、ウーバーは「タクシー」
司法裁判所が認定、規制適用へ

 【ロンドン共同】欧州連合(EU)の最高裁判所に当たるEU司法裁判所は20日、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズについて、タクシーと同じ「運輸サービス」と認定した。EU加盟国は、タクシー会社と同様に運転手の管理などの規制を適用できるようになる。
ウーバーは低料金を売り物にEU域内でも急成長を遂げてきたが、新たな許可の取得や安全対策が必要になるとみられ、戦略変更を迫られる可能性がある。
ウーバーはスマートフォンのアプリなどを通じドライバーと客をつなぐ「情報サービス会社」だと主張していた。


ホンダ「インサイト」復活
米モーターショーで公開

 ホンダは20日、ハイブリッド車(HV)「インサイト」を復活させると発表した。新型モデルの試作車を米デトロイトで来年1月開かれる北米国際自動車ショーで公開する。
インサイトは1999年に初代が発売された。2009年にモデルチェンジしたが、小型車「フィット」のHVモデルに人気を奪われ14年にいったん販売を終了した。
3代目となる新型車は5人乗りセダン。「シビック」の上位モデルとして米インディアナ州の工場で生産し、来年夏に米国で発売する予定。国内での発売は未定という。

ホンダが来年復活させる「インサイト」


中国国歌ブーイングで罰金
AFC、香港協会に

 【広州共同】アジア・サッカー連盟(AFC)は19日、香港で11月に行われたアジア・カップ予選の香港―レバノン戦で、香港の一部サポーターが中国国歌の演奏中にブーイングを浴びせたとして、香港サッカー協会に3千ドル(約34万円)の罰金を科したと発表した。香港メディアが20日伝えた。
香港では若者を中心に中国への反発が強く、サッカーの国際試合などで国歌演奏中にブーイングを浴びせるケースが相次いでいる。AFCは「違反行為が繰り返されれば、さらに厳しく処罰する」としている。」
AFCは10月末、同様の問題で香港サッカー協会に警告していた。


モスル奪還で1万人死亡か
AP通信が独自集計

 【ダマスカス共同】AP通信は20日、過激派組織「イスラム国」(IS)の重要拠点だったイラク北部モスルの奪還作戦時に、9千~1万1千人の民間人が死亡したとの独自調査結果を発表した。米軍主導の有志国連合やイラク軍の空爆による死者と、ISの攻撃による死者がそれぞれ約3分の1を占め、残りは原因不明としている。
モスル奪還作戦は昨年10月から今年7月まで続いた。
米軍報道官はAPに対し、有志国連合の空爆がなければ「ISの支配はさらに何年も続いた」と指摘し、巻き添え被害にのみ焦点を当てるのは「無責任だ」と反論した。米軍側は326人の死亡についてのみ責任を認めている。


ドイツ、選挙後の政治空白最長
政権樹立難航、EUに影響も

 【ベルリン共同】ドイツでは9月下旬の連邦議会(下院)選挙後の新政権樹立協議が難航し、政権不在期間は20日で87日と戦後最長になった。暫定政権の首相としてメルケル氏は選挙で第1党となった自らの保守政党と第2党の中道左派政党との大連立を目指すが、政策の違いから政権発足が来春にずれ込む恐れがある。ドイツの政治空白は欧州連合(EU)の政策にも影響を与えそうだ。
メルケル氏の暫定政権は現在、法案提出や重要な政府人事の決定を避け、EU首脳会議や国際会議の場でも次期政権に影響するような行動は控えている。
英国のEU離脱交渉が重大な局面を迎える中で手足を縛られた状態だ。


米、救急車よりウーバー
安価な代替手段に

 【ニューヨーク共同】何万円もする救急車より低料金のウーバーで十分―。米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズが営業する米各地で、救急車の利用頻度が7%減少したとの調査結果をカンザス大研究者らが19日までに発表した。
世界各地に拡大しているウーバーはタクシー業界の「天敵」とも呼ばれるが、研究者らは、緊急医療対応が必要ない程度の病気やけがの場合には、医療施設への合理的な移動手段だと指摘。
また、多数の車両が展開するウーバーの方が患者の元に早く到着する例があるほか、呼び出すと数百~数千ドル(数万~数十万円)かかる救急車の高額請求を避けることもできると説明。


地震国イランで減災指導
JICA、日本の知見活用

 【テヘラン共同】世界有数の地震多発国であるイランで日本の知見を生かして防災・減災に貢献しようと、国際協力機構(JICA)が首都テヘランの防災計画の更新で技術協力に乗り出すことが決まった。日本から専門家を派遣し、計画改善の指導に当たる。テヘラン市内で19日、両国の関係者が覚書に署名した。
技術協力事業の期間は来年夏から3年間を予定。過去にJICAが協力して策定した防災計画を、市内各地域の特徴も加味して改善。地震発生直後の初動対応で、インフラ企業との連携や市民への情報提供などに既存の地震計をどう有効活用すべきかも助言する。


サイバー攻撃、北朝鮮実行
米断定、アカウント閉鎖

 【ワシントン共同】日米など約150カ国で被害が出た5月のサイバー攻撃について、トランプ米政権は19日、北朝鮮が実行したと断定したと発表した。マイクロソフトとフェイスブックは北朝鮮傘下のハッカー集団「ラザルス」が関与したと結論付け、攻撃に使われた複数のアカウントを閉鎖するなどの対応を取ったと明らかにした。
北朝鮮のサイバー攻撃の脅威が高まる中、米国が官民を挙げて悪質なハッキングを阻止する姿勢を示した。
5月の攻撃ではパソコン内のファイルを暗号化し、解除する代わりに金を要求する身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」の「ワナ・クライ(泣きたい)」が使われた。


伊帽子メーカー破産手続き
名画カサブランカにも登場

 【ローマ共同】イタリアの裁判所は19日までに、老舗帽子メーカー「ボルサリーノ」の破産手続きを開始する決定を下した。地元メディアが報じた。往年の名画「カサブランカ」で主役のハンフリー・ボガートが同社製の帽子をかぶったことでも知られる。
ボルサリーノは1857年に創業し、約160年の歴史を持つ。数々の映画にも登場するほか、イタリア紙レプブリカなどによると、英首相を務めたウィンストン・チャーチルらも愛用したという。
イタリア北部の裁判所が18日、同社の救済案を棄却し破産手続き入りを決定。棄却理由は後日明らかにされる予定だが、同社側は上訴するとみられる。

イタリア・アレッサンドリアの工場でボルサリーノの帽子を手に取る従業員=5月(ロイター=共同)


米西部で列車脱線3人死亡
高速道路に落下、多数負傷


【ロサンゼルス共同】米西部ワシントン州タコマ近郊で18日午前7時40分(日本時間19日午前0時40分)ごろ、全米鉄道旅客公社(アムトラック)の旅客列車が高架橋で脱線し、下の高速道路に複数の車両が落下、走行していた乗用車やトレーラーを直撃した。当局者は列車の3人の死亡を確認したと述べた。列車には乗客77人、乗員7人が乗車。70人以上が病院に搬送された。
米メディアによると、列車は14両編成で13両が脱線した。事故原因は不明だが、一部乗客からカーブでのスピードの出し過ぎを疑う声も出ている。在シアトル日本総領事館によると、日本人が死傷したとの情報はない。

18日、米ワシントン州で脱線した旅客列車(ロイター=共同)


米の脱線事故、原因は速度超過か
列車に安全装置の不備も

 【ロサンゼルス共同】米西部ワシントン州タコマ近郊で18日起きた全米鉄道旅客公社(アムトラック)の列車脱線事故を巡り、米メディアは、スピードの出し過ぎでカーブを曲がりきれなかったのが原因との見方を伝えた。速度超過などを防ぐ制御装置がなかったことも明らかになった。
アムトラックは近年、脱線や遅延などが相次ぎ、6月に経営トップが代わったばかり。今回の事故で安全対策の不備に改めて非難が高まりそうだ。
AP通信などによると、列車は直前のカーブまで制限速度を超過する時速約130キロで走行。14両編成のうち13両が脱線し、少なくとも列車の3人が死亡した。

地上型イージス導入決定
政府、北朝鮮ミサイルに対処

 政府は19日の閣議で、海上自衛隊のイージス艦に搭載している迎撃ミサイルシステムを新たに地上に配備する「イージス・アショア」を2基導入することを決定した。北朝鮮の核・ミサイル開発を新たな段階の脅威と捉え、対処のために弾道ミサイルから日本防衛能力の「抜本的な向上」が必要だと判断した。2023年度の運用開始を目指す。配備先は秋田、山口両県を候補地として検討している。
取得費は1基当たり1千億円弱。レーダーなど装備の性能次第でさらに高額となる可能性もあり防衛費の増大は必至。野党は批判を強めそうだ。

2015年、米ハワイの「イージス・アショア」施設で行われた迎撃ミサイルの発射テスト(ロイター=共同)


首相「与野党が改憲案の提出を」
20年見据え、憲法審査会で議論

 安倍晋三首相は19日、東京都内で講演し、憲法改正について「与野党を問わず具体的な案を持ち寄って、衆参両院の憲法審査会の静かな環境の下で議論を深めていただきたい」と呼び掛けた。2020年に東京五輪・パラリンピックが開かれるのを踏まえ「20年を日本が生まれ変わる年にしたい。新時代の幕開けに向けた機運が高まる時だからこそ、憲法の議論を深めたい」と訴えた。
一方、20年の改正憲法施行を目指すとした5月の自身の発言について「停滞していた議論を後押しするため一石を投じた。スケジュールありきではない」とも述べた。


9条への自衛隊明記で2案
自民、改憲論点整理を了承

 自民党の憲法改正推進本部は20日、党本部で全体会合を開き、改憲を目指す4項目に関する論点整理を了承した。憲法9条への自衛隊明記について戦争放棄の1項、戦力不保持などを定めた2項を共に維持する案と、2項を削除して自衛隊の目的や性格をより明確化する案の両論併記とした。年明け以降、公明党や希望の党、日本維新の会などと協議に入りたい考えだ。各党との議論と並行して党改憲案の策定を進める。
推進本部の細田博之本部長は会合終了後、「みんなが賛成して支持するような案でなければならない。それが一番の早道だ」と記者団に表明。与野党の枠を超えて合意形成を目指す意向を強調した。


改憲「7~9割の国民合意を」
発議項目で公明幹部

 公明党の斉藤鉄夫幹事長代行は20日のラジオ番組で、憲法改正の国会発議について「国論を二分するような国民投票になってはいけない。ここは変えなければいけないと、7~9割の国民が合意するような問題を提案することが大事だ」と述べ、改憲項目を慎重に見極める必要があるとの認識を示した。
改憲に向けた国民の意識に関しては「そこまで盛り上がっていないのではないか」との見方を示した。


政府、住民避難の指針を改定
北朝鮮のミサイル発射を受け

 政府は19日の閣議で、国民保護法に基づき武力攻撃を受けた際に住民を避難させる措置などをまとめた「基本指針」の改定を決定した。北朝鮮による弾道ミサイル発射が相次いでいるため、都道府県に地下の避難施設拡充や、施設収容人数の集計などを要請する。
改定指針は、これまで都市部で促してきた地下街や地下鉄駅の避難施設指定を、地方でも積極的に行うよう求めた。住民や自治体が避難計画を立てやすくするため、施設ごとに収容人数を把握する方針も明記した。
全国瞬時警報システム(Jアラート)による情報伝達などについて、国と自治体が協力して周知する規定も追加した。


首相「被災地復興へ全力」
岩手県視察、高校生激励

 安倍晋三首相は20日、東日本大震災からの復興状況を確認するため岩手県を訪問した。大槌町の県立大槌高校を訪れて生徒を激励。来年3月で震災から7年を迎えることを踏まえ、釜石市で記者団に「間違いなく復興は進んでいる。地域の皆さんの気持ちに寄り添い、全力で努力を重ねる」と決意を示した。第4次安倍内閣発足後、首相の被災地視察は初めて。
大槌高校では復興ぶりを記録しようと、町の変遷を定点観測で写真撮影する取り組みを続ける生徒と交流。震災直後の写真と現在の写真を見比べ「こうした記録を残すことで、町がどんな経験をしたのか確認できる。蓄積した知恵は必ず生きる」と強調した。

釜石地方森林組合を訪れ説明を受ける安倍首相(右端)=20日午後、岩手県釜石市(代表撮影)


日本、G7声明で原発堅持を主導
「放射能」削除、チェルノブイリ

 1986年にソ連(現ウクライナ)で起きたチェルノブイリ原発事故を巡り、主要国首脳会議(G7、東京サミット)の議長国だった日本が原発推進路線を堅持しようと、事故の数日後から合意文書作りを主導していた実態が20日公開の外交文書で判明した。サミットでは原案にあった「放射能」や事故への「懸念」の表現が削除され、「原子力は将来ますます広範に利用されるエネルギー源」と記した声明が発表された。
冷戦下でソ連がほとんど事故の情報を公表せず、原因や被害規模がよく分からない段階から、日本が原発維持の国際合意形成に動いた史実が明るみに出た。

爆発事故を起こしたチェルノブイリ原発=1986年5月(ロイター=共同)


日朝貿易、86年に中国に提案
中曽根首相、会談で「用意ある」

 中曽根康弘首相が1986年11月に訪中して中国共産党の胡耀邦総書記と会談した際、中国との国交樹立を希望する韓国の意向を伝えていたことが、20日公開の外交文書で明らかになった。橋渡し役を果たそうとすると同時に、日本と国交がない北朝鮮との貿易に向けても「用意がある」と表明し協力を求め、中韓と日朝の同時並行的な関係改善を提起した。胡氏は、いずれの提案にも、希望に沿えないとの考えを示した。
一連のやりとりからは首脳間の信頼関係を土台に、日本が朝鮮半島の平和実現に向け、独自外交を展開しようとした軌跡が浮かび上がる。

中曽根康弘首相(左)と会談する中国の胡耀邦総書記=1986年11月、北京の人民大会堂(共同)


河野氏、慰安婦合意履行を求める
康氏は首相の平昌五輪出席要請

 河野太郎外相は19日、韓国の康京和外相と東京都内の飯倉公館で会談し、旧日本軍の慰安婦問題を巡り最終解決を確認した2015年の日韓合意の着実な履行を求めた。康氏は、来年2月9日に開幕する平昌冬季五輪への安倍晋三首相の出席を要請した。両外相は、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力強化に加え、未来志向の日韓関係構築を確認した。
康氏は首相とも会談。首相は「韓国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国だ。両国がさまざまな課題をコントロールしながら、未来志向の関係を切り開きたい」と述べた。北朝鮮問題では、日韓と日米韓3カ国の緊密連携で一致した。


必要な公文書、1年以上保存
有識者委員会が政府案了承

 有識者による政府の「公文書管理委員会」(委員長・宇賀克也東大大学院教授)は20日の会合で、森友、加計学園問題で批判された行政文書管理を巡り、政府が提示した新たなガイドライン(指針)の最終案を了承した。行政の意思決定過程の検証に必要な文書は「原則1年以上」保存するとした内容。政府は年内に新指針を決める。
最終案は、「保存期間1年未満」で破棄できる文書として、職員間の定期的な業務連絡や日程表などを列挙。政策立案や事業実施に影響する、各府省庁内や外部との打ち合わせ記録については行政文書として作成、可能な限り出席者に発言内容を確認して「正確性を期す」としている。


農業は最大1500億円減
政府、TPP11影響試算

 政府が、米国を除いた11カ国の環太平洋連携協定(TPP)に伴う輸入品の流入などの影響で、国内の農林水産物の生産額が最大約1500億円減少するとの試算をまとめたことが19日分かった。米国が参加していた際には最大約2100億円減少と推計しており、打撃は縮小する。欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)では最大約1100億円減ると試算した。21日にも発表する。
試算対象はTPP、日欧EPAともに関税10%以上で国内生産額が10億円以上の主要品目。TPPは牛肉など19の農産物と、合板など14の林水産物について生産減少額は約900億~1500億円と見積もった。


沖縄予算3千億円強へ減額
普天間巡る対立背景か

 政府は2018年度の沖縄振興予算案を巡り、概算要求の3190億円から100億円程度減額し、3千億円強とする方向で調整に入った。政府筋が20日、明らかにした。14年の翁長雄志知事就任後で最低だった17年度の3150億円を下回る。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)移設を巡る沖縄側との対立を受けた、政府の厳しい姿勢が背景にありそうだ。
概算要求からの減額は4年連続。県にとって使途の自由度が高い沖縄振興一括交付金が減る見通しだ。財務省は、交付金が効果的に使われていないとして圧縮したい意向。政府は22日の閣議で、沖縄振興を含む18年度予算案を決定する。


衣料通販、駅ビルで試着サービス
ヤマト、配達効率化で実験

 ヤマトホールディングス(HD)は20日、インターネット通販で購入した衣料品を駅ビルで試着できるサービスの実証実験を始めると発表した。期間は1月4日から3月30日まで。ビル内の特設店舗で商品を受け取って試着。気に入らなければその場で返品手続きができる。配達業務の効率化を探るのが狙いだ。
実験は、ヤマトHDのほか、三陽商会など数社が参加する。JR大森駅(東京)の駅ビル「アトレ」内に、ヤマトHDが店舗を開設。利用者はこの店舗を配達場所に指定できる。ヤマトHDは実験結果を検証し、実用化を目指す。


トヨタグループ、世界販売最高へ
18年計画1049万台

 トヨタ自動車は20日、グループのダイハツ工業と日野自動車を含む2018年の世界販売台数を前年比1%増の1049万5千台とする計画を発表した。達成すれば17年見込みを上回って過去最高となる。1千万台超えは5年連続。
アジアを中心に海外販売が伸び、少子化などで縮小傾向にある国内販売の減少を補う。トヨタ単体の世界販売台数も2%増の950万台で過去最高を更新する。単体の国内生産は3%減の308万台とした。
17年のグループ世界販売見込みは2%増の1035万4千台に上方修正した。


スバル、燃費データ書き換え調査
一部から指摘、無資格問題検証で

 SUBARU(スバル)は20日、自動車の生産で燃費データの書き換え行為があったかどうか外部専門家を交え事実関係を調査すると発表した。国の規定に反した新車の無資格検査問題の検証で、社内の一部検査員から指摘があった。これまでのところ、車両の開発時や、車を量産するための仕様を国に届け出る際のデータ改ざんは確認されていないとしている。
昨年は、三菱自動車やスズキで燃費不正問題が発覚した。スバルでも実際に改ざんがあったとすれば、自動車業界は消費者の信頼を大きく損なうことになる。
スバルによると、弁護士による無資格検査問題の検証チームの聞き取りに一部検査員が答えた。


全日空も機内ネット無料に
国内線、来年4月から

 全日本空輸は20日、国内線の機内インターネット接続サービスを来年4月から無料にすると発表した。最大で1050円かかる利用料を廃止する。併せてネットで楽しめる映像コンテンツを拡充し、無料化で先行する日本航空に対抗する。
無料化するのは、無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」を通じ、乗客が自身のスマートフォンやタブレット端末でネットを使うサービス。ネット接続に対応する国内線の全機材を対象に、全てのクラスで実施する。
同社はネットを利用できる機材を、2019年3月末までに現在と比べて4割多い約100機にする。ドラマやアニメなどの配信も強化する。


LINE、自転車シェア事業参入
中国大手のモバイクと提携

 LINE(ライン)は20日、国内で自転車シェア事業に参入すると発表した。この事業を手掛ける中国大手、モバイクの日本法人と資本・業務提携し、来年前半にサービスを始める。街の各所に置かれた自転車を気軽に借りられるシェアサービスは欧米や中国で定着しており、日本でも需要が見込めると判断した。
関心を持つ自治体との協議などを進め、展開地域を順次決める。2020年東京五輪・パラリンピックに訪れる外国人の需要を狙い、競技開催地での開始も目指す。
モバイクはサービスの運営に加え、自転車の提供や保守を担う。ラインは空き自転車の位置情報を提供する。

自転車シェア事業参入を発表したLINEの出沢剛社長(左)と中国のモバイク幹部=20日、東京都新宿区


VAIOが映画館にVR
東映と連携、来年3月開始

 ソニーのパソコン事業が独立したVAIO(バイオ、長野県安曇野市)は19日、東映などと連携し、仮想現実(VR)で楽しめる映像を映画館に提供する事業を始めると発表した。来年3月に試験導入する。バイオによると、一般の映画館でVRを使って興行するのは世界で初めてという。
VRは専用のゴーグルを装着し、コンピューターで作成した映像や音楽を視聴する。360度の周囲が現実と切り離され、仮想の世界に没入できるのが特徴だ。VR対応のゲームなどの人気が高まっている。
映画館では東映のノウハウを生かし、最適な音響でVRを体験できる空間をつくる。


IoTウイルス感染30倍
国内、9万台に急増

 インターネットに接続した家電など「IoT機器」を狙ったコンピューターウイルスの日本国内の感染台数が11月に約9万3千台となり、10月に比べて30倍以上に急増したことが19日、国立研究開発法人・情報通信研究機構(NICT)の観測で分かった。
感染したIoT機器はハッカーに遠隔操作され、企業などに大量のデータを送り付ける大規模サイバー攻撃に悪用される恐れがある。IoTのウイルス感染は世界中に広がって問題になっていたが、日本ではこれまで数千台程度と少なかった。この規模の感染が分かったのは初めて。


発注予定工事でも談合か
リニア入札、受注済みに加え

 リニア中央新幹線の工事を巡る談合事件で、大手ゼネコン4社が、既に受注している15件に加え、今後発注される予定で、現在入札手続き中の5件でも受注調整をしていた疑いのあることが20日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は4社幹部らの任意聴取を進め、ゼネコン間の具体的なやりとりを詳しく調べる。
JR東海は2015年以降、トンネルや駅、非常口の新設といった計22件の工事契約を締結。うち15件は、大林組、鹿島、清水建設、大成建設の大手4社が代表の共同企業体(JV)が3、4件ずつ受注している。
さらに5件の工事は現在、入札手続きが進められている。


ハンマー投げで高2死亡、群馬
部活中、頭に当たる

 20日午後6時半ごろ、群馬県藤岡市中栗須の県立藤岡中央高校のグラウンドで、ハンマー投げのハンマーが同校2年の男子生徒(17)の頭に当たったと、119番があった。生徒は同県高崎市内の病院に搬送されたが、死亡した。
県警によると、生徒はグラウンドでサッカーの部活動の練習中で、別の生徒が投げたハンマーが頭に当たったという。県警は事故の状況を詳しく調べている。


豊洲「日本の中核市場に」と知事
来年10月11日開場決定

 東京都の小池百合子知事は20日、臨時記者会見を開いて築地市場(中央区)から移転後の豊洲市場(江東区)の開場日を2018年10月11日に決めたと発表した。市場移転は昨年8月、小池知事が豊洲市場の安全性を疑問視して延期した。小池知事は会見で、豊洲の追加安全対策工事を着実に実施すると強調し「日本の新たな中核市場として育てていく」と述べた。
開場日は当初計画の16年11月7日より2年近く遅れる。都と業界団体が20日の新市場建設協議会で合意し、懸案が決着したことで移転準備が本格化する。
都は追加工事を18年7月末までに完了し、農相への認可申請を経て開場する予定。


JR西社長「信頼裏切った」
台車亀裂で謝罪

 博多発東京行き新幹線のぞみの台車に亀裂が見つかった問題で、JR西日本の来島達夫社長は20日、大阪市内で開いた定例記者会見で「新幹線の安全性に対する信頼を裏切った。異常を感じながら運行を継続したことに多くの課題がある」と述べ、謝罪した。
来島社長は「今回の状況を見る限り、運行停止の判断ができた」との認識を表明。異変を察知した後も運行を続けた理由に質問が集中したが、「ダイヤを優先したものではないと信じている。調査で背景をつかんでいきたい」と述べるにとどめた。


生産性、先進7カ国で最下位
効率的な働き方進まず

 日本生産性本部は20日、2016年の労働生産性の国際比較を発表した。一人の労働者が一定の労働時間でどれだけのモノやサービスを生み出すかを算出。日本の1時間当たりの生産性は46・0ドル(約4700円)で、経済協力開発機構(OECD)加盟の35カ国の中で20位、先進7カ国(G7)で最下位だった。
生産性本部によると、G7での日本の最下位はデータが取得可能な1970年以降続いている。欧米より非効率な働き方が改めて示され、安倍政権が看板政策として掲げる「生産性革命」の浸透が急務になりそうだ。
担当者は「飲食や宿泊などのサービス業の生産性が低い」と分析している。