Kyodo News

12月8日

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エルサレム問題で米孤立
安保理が緊急会合

• 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は8日、米国がエルサレムをイスラエルの首都と正式認定したのを受け、公開の緊急会合を開いた。エルサレムの帰属を巡り、国際社会の大半はイスラエルとパレスチナの交渉で決めるべきだとの立場。米国の一方的な認定に各理事国の批判が集中するとみられる。米国は孤立を深めそうだ。
• 安保理で米国はこれまで北朝鮮の核・ミサイル開発やミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャ迫害で厳しく批判する側だったが、一転して守勢に回ることになる。
• 米国の首都認定に対しては、英国のメイ首相が6日、「賛成できない」との声明を発表。


米政権に抗議、世界へ波及
衝突で死者、エルサレム認定怒り

• 【エルサレム共同】トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と正式承認してから初の金曜日となった8日、エルサレムやパレスチナ自治区でイスラム教の集団礼拝後に大規模デモが行われた。計数千人が参加し、イスラエル軍と衝突、パレスチナの保健当局や赤新月社によると、パレスチナ人1人が死亡、200人超が負傷した。抗議活動は各国に波及し、世界のイスラム教徒に怒りが広がった。
• パレスチナ諸派は「怒りの日」として参加を呼び掛けた。死者が出たのは自治区ガザで、イスラエル軍兵士の発砲を受けた。

8日、エルサレム旧市街で、イスラエルの警察官(右)と対峙するパレスチナ人のデモ参加者ら(ロイター=共同)


トランプ氏の健康不安報道
年明けに健診、結果公表へ

• 【ワシントン共同】トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言した演説で発音が乱れたことから、一部の米メディアが7日、健康に問題がある可能性を報じた。サンダース大統領報道官は同日の記者会見で健康不安説を「くだらない」と一蹴した上で、トランプ氏が年明けに健康診断を受け、結果を公表すると明らかにした。
• 71歳のトランプ氏は飲酒や喫煙は一切しないが、ステーキやハンバーガーを好んで食べ、果物はほとんど取らないなどの偏食で知られ、診断結果に関心が集まっている。
• トランプ氏は6日の演説でしきりに手を振りながら「米国に神の祝福を」と言う際などに発音が乱れた。


米、中距離ミサイル開発表明
「ロシアに対抗」

• 【ワシントン共同】米国務省は8日、冷戦末期に旧ソ連との間で結ばれた中距離核戦力(INF)廃棄条約の署名から30年に当たりナウアート報道官の談話を発表し、ロシアによる条約違反への対抗措置として、地上発射型中距離ミサイルなどの研究開発に着手する方針を表明した。
• 談話は、米国は引き続きINF廃棄条約を順守し、ロシアの条約回帰を促すとする一方、ロシアの違反が続いていることを放置できないと強調。ロシアを条約に引き戻す「経済的、軍事的措置」として、米国も通常戦力による地上発射型中距離ミサイルの研究開発を含む選択肢を模索するとの立場を鮮明にした。


ロ外相、米朝対話へ協力の用意
ティラーソン国務長官に

• 【モスクワ共同】ロシアのラブロフ外相とティラーソン米国務長官は7日、欧州安保協力機構(OSCE)の閣僚理事会(外相会議)が開かれているウィーンで会談し、朝鮮半島情勢などを協議した。ラブロフ氏はティラーソン氏に、米国と北朝鮮の対話実現へ協力の用意があると伝えた。会談後、ロシアメディアに語った。
• ラブロフ氏は「北朝鮮が自国の安全の保証についてまず話し合いたいのは米国だ。ロシアは交渉実現に協力できる」と会談で述べたという。


米雇用順調、追加利上げへ
11月、就業者22万8千人増

• 【ワシントン共同】米労働省が8日発表した11月の雇用統計(速報、季節調整済み)は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月から22万8千人増えた。市場予想の20万人増を上回った。雇用情勢の順調な改善を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)は今月12、13日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、半年ぶりの追加利上げを決める見通しだ。
• 失業率は10月から横ばいの4・1%だった。就業者数の増加幅は、景気が堅調に拡大している目安とされる20万人を2カ月連続で突破した。


ロシア北極圏でLNG生産
アジア、欧州へ輸出

• 【サベッタ共同】ロシア天然ガス大手ノバテクが北極圏のロシア北部ヤマル半島で進める天然ガス開発で、液化天然ガス(LNG)生産がこのほど始まり、砕氷タンカーへの初の積み出しに合わせた式典が8日、ヤマロ・ネネツ自治管区のサベッタで行われた。北極海航路を通じてアジアや欧州に輸出される。
• 式典にはプーチン大統領やサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相らが参加。プーチン氏は演説で「ガス採掘の面だけでなく、北極や北極海航路の開発にとっても極めて重要な出来事だ」と強調した。
• 開発は「ヤマルLNG」と呼ばれるプロジェクトで、LNG生産は今月5日に開始。

ロシア北部サベッタの天然ガス大手ノバテクの液化天然ガス(LNG)生産設備。極夜のため、昼間でも暗い=8日(共同


コンゴでPKOの14人殺害
国連総長が非難

• 【ニューヨーク共同】国連は8日、コンゴ(旧ザイール)東部の北キブ州で国連平和維持活動(PKO)部隊が何者かに襲撃され、隊員14人が死亡、40人以上が負傷したと明らかにした。死亡した隊員の多くはタンザニア出身で、コンゴ軍部隊の5人も死亡した。
• グテレス国連事務総長は「最近では最悪の事態で、きょうは国連にとって悲しい日となった」と述べ、襲撃を強く非難すると強調した。
• コンゴ東部は多くの武装勢力が活動し、紛争が続いており、10月にもPKO部隊が襲われて多数の死傷者が出ている。


習氏、南京大虐殺の式典出席へ
歴史問題で妥協しない方針示す

• 【上海共同】中国が江蘇省南京市で13日に開く南京大虐殺から80年の犠牲者追悼式典に、習近平国家主席が出席する方向で最終調整していることが8日、分かった。外交筋などが明らかにした。今秋以降、日中関係は改善しつつあるが、習指導部には歴史問題で妥協しない方針を改めて示す思惑がある。
• 習氏が式典に出席して日本を強く非難する姿勢を見せれば、関係改善の機運に冷や水を浴びせることになる。日本側は「関係改善させたいとの習指導部の方針に大きな変わりはない」(政府関係者)とみて、未来志向の関係発展を求めており、中国側の式典での対応が注目される。


英EU、離脱条件で基本合意
年明けに協議が始まる見通し

• 【ブリュッセル共同】英国の欧州連合(EU)離脱の条件を巡り、ユンケルEU欧州委員長とメイ英首相は8日、離脱費、将来の英EU境界となる英アイルランド国境の扱い、市民の権利保護の重要3論点で基本合意したと発表した。欧州委員会は交渉に「十分な進展」があったとして、英国を除く27加盟国に、両者の将来の通商関係など「第2段階」の協議開始を勧告。14~15日に開かれるEU首脳会議で承認され、年明けに協議が始まる見通し。
• 2年間と規定されている離脱交渉の起点日である3月29日から8カ月余り。英EUは交渉前半のヤマを越えつつある。


北朝鮮、ボルボ千台の代金未払い
スウェーデンから購入360億円

• 【ストックホルム共同】北朝鮮が1970年代にスウェーデンから購入した同国製の自動車ボルボなどの代金が未払いのままで、利子を含む負債が昨年末時点で約27億3200万クローナ(約364億円)に上ることが8日、分かった。政府機関のスウェーデン輸出信用債権庁が共同通信に明らかにした。
• スウェーデンは北朝鮮と国交を持ち、首都平壌に大使館がある。報道によると、購入したボルボは約千台で、一部は現在も平壌でタクシーとして走っているとみられる。
• 債権庁によると、北朝鮮の抱える負債は70年代半ばからのもので、当初は約6億クローナだった。


セクハラ米民主党議員また辞職
上院・フランケン氏

• 【ワシントン共同】米民主党のフランケン上院議員は7日、上院本会議で演説し、数週間内に辞任する意向を表明した。複数の女性からセクハラ被害を訴えられており、民主党指導部を含む大半の同僚議員が辞職を求めていた。
• 議会でのセクハラを巡っては、元スタッフに被害を告発された最古参のコンヤーズ下院議員(民主党)が辞職したばかり。米国では性的嫌がらせに対する国民の視線が厳しさを増している。
• フランケン氏は議員就任前の2006年、コメディアンとして慰問で中東を訪れた際にラジオ番組司会者の女性に無理やりキスしたと告発され、尻を触られたなどと名乗り出る女性が相次いだ。

巡航ミサイル、21年度配備へ
18年度予算に22億円計上

 防衛省は8日、航空自衛隊戦闘機に搭載する3種類の長距離巡航ミサイル導入関連費用として約22億円を2018年度予算案に計上するため追加要求した。自衛隊への配備は21年度となる見通し。一方、小野寺五典防衛相は同日午後、自民党本部で記者団に弾道ミサイル防衛の強化策として日本が導入予定の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の関連費用を17年度補正予算案に前倒しで計上すると表明した。
ミサイル導入関連費用の内訳は、ノルウェーが開発した「JSM」の取得費用として21億6千万円、米国開発の「JASSM―ER」と「LRASM」に関する調査費として約3千万円。


特別国会、会期末前に事実上閉幕
政府提出の新規法案8本が成立

 第195特別国会は、改正薬害肝炎救済法などが8日に成立し、9日の会期末を前に事実上閉幕した。政府が提出した新規法案9本のうち、「民泊」を無許可営業した場合の罰則を大幅に引き上げる改正旅館業法など8本が成立。成立率で見ると88・9%だった。衆参両院は8日の本会議で、閉会中に委員会で審査を継続できるようにするための通例の手続きを終えた。
カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法の施行を踏まえ、自民、公明両党が提出したギャンブル等依存症対策基本法案や、政府提出の保険業法改正案など計7本は継続審議となった。


給与は増、退職手当は減額
国家公務員、関連法が成立

 国家公務員の本年度の月給と期末・勤勉手当(ボーナス)を引き上げ、退職手当は減額する関連法が8日、参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。月給、ボーナスとも4年連続のプラス。退職手当のカットは民間の水準に合わせるため3・37%減らし、来年1月1日以降に辞める人が対象となる。
地方公務員の月給とボーナスは、各地の自治体が人事委員会の勧告などを踏まえて決めるが、国に準じて引き上げるところが多い。
国家公務員一般職の月給は前年度から平均631円(0・15%)増え、ボーナスの年間支給月数は0・1カ月多い4・4カ月分となる。


会社員増税、850万円超で調整
自、公の与党税制協議会

 自民、公明両党は8日、与党税制協議会を開き、所得税改革による会社員の増税対象を「年収800万円超」とした当初案を見直すことで一致した。中間層の負担増を懸念する公明党の意向を受け入れ、増税対象を絞り込む。「850万円超」とする案で調整する見通しだ。
2018年度税制改正を巡っては、法人税減税や事業承継税制の拡充など、所得税を除く主要項目の大枠が固まった。所得税増税の線引きを週明けにも決着させ、14日に税制改正大綱を取りまとめる。


3~5歳児を全て無償に、政府
財源2兆円、20年度から実施

 政府は8日、少子高齢化を克服し高い経済成長を目指す「人づくり革命」「生産性革命」の政策パッケージを閣議決定した。3~5歳児の幼児教育・保育を全て無償にし、低所得者世帯では高等教育まで無償化の対象を広げる。総額2兆円の財源を確保し、人材への投資を拡大。人手不足に悩む中小企業をITの活用で支援し、企業の競争力強化を目指す。待機児童の解消策など一部を前倒しで進め、大部分は消費税増税後の2020年度から実施する。
人づくり革命の財源は、消費税増税の増収分の使途変更による1兆7千億円と、企業の拠出金を増額する3千億円を充てる。


天皇退位、1月に準備組織を設置
憲法との関係、課題整理

 政府は8日、天皇陛下の退位日を2019年4月30日と定める政令を閣議決定したのを踏まえ、菅義偉官房長官を長とする準備組織を来年1月に設置する方針を固めた。退位の儀式や皇太子さまの「即位の礼」に関する課題を整理する。退位儀式を巡っては、憲法が規定する天皇の政治関与禁止や政教分離原則に抵触しない形式を模索する。安倍晋三首相は記者団に「退位や即位がつつがなく執り行われるよう万全を期す」と述べた。
準備組織は、杉田和博官房副長官が実務を取り仕切り、宮内庁や警察庁、内閣府などの幹部が加わる予定だ。


日欧EPA交渉が妥結
首脳が電話会談、関税削減撤廃へ

 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉が8日、妥結した。輸入品にかける関税の相互撤廃・引き下げや知的財産のルールなど大半の分野で合意に達し、これらを協定化して2018年夏ごろに署名。19年の早い時期に主要部分の発効を目指す。安倍晋三首相がユンケル欧州委員長と電話会談し、妥結を表明した。投資に関する企業と国家の紛争解決手続きは7月の大枠合意後も溝が埋まらず、別の協定に切り離す方向で協議を続ける。
協定が発効すれば世界の国内総生産(GDP)の約3割を占める巨大経済圏が誕生する。貿易や投資が活発になりワイン、チーズなどEUの伝統産品が身近になる。


倒産件数3カ月ぶりに減少
11月、低水準続く

 東京商工リサーチが8日発表した11月の全国の企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同月比2・3%減の677件だった。3カ月ぶりに前年同月を下回った。負債総額は、前年同月に大型倒産があった反動で、75・5%減の1456億6300万円だった。
景気の回復傾向に伴って低水準が続いているが、東京商工リサーチの担当者は「人手不足と賃金上昇が響き、倒産件数減少の底打ち感が強まりつつある」と分析した。
件数を業種別に見ると、10業種のうち製造業や卸売業といった5業種で前年同月を下回った。建設業とサービス業他は増加し、小売業など3業種が横ばいだった。


マグロ漁獲新規制を正式決定
熱帯のカツオは一部緩和

 【マニラ共同】フィリピン・マニラで開かれていた中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の年次会合は8日、閉幕した。太平洋クロマグロ漁獲枠を資源の回復見通しに応じて増減させる新規制を承認し、導入が正式に決まった。一方、熱帯海域でのカツオ漁獲規制は2018年に一部緩和することになり、強化を唱えた日本の意見はほとんど通らなかった。
日本にとってクロマグロ規制を柔軟にする進展があった半面、近海での不漁の原因とみてカツオ巻き網漁の抑制を求めた点では熱帯域の島国をはじめ、他の全ての国から反対された。


北朝鮮船の乗員逮捕へ、北海道
島で窃盗容疑、逃亡図ったか

 北海道松前町の無人島、松前小島に11月接岸した北朝鮮の木造船の男性乗員が、島にあった物品を盗んだとして、北海道警は8日、窃盗などの容疑で乗員を9日にも逮捕する方針を固めた。捜査関係者が明らかにした。道警は乗員10人から任意で事情聴取してきたが、乗員らは8日、函館港沖で巡視船に横付けされていた船を、ロープを切断して動かした。逃亡を図ったとみられ、道警は強制捜査が必要と判断したもようだ。
島にある漁業者向けの避難小屋は荒らされ、テレビや冷蔵庫などの家電、ミニバイク、日用品などが無くなっていた。


真珠湾攻撃76年で追悼式典
日米和解「素晴らしい」

 【ホノルル共同】旧日本軍による米ハワイの真珠湾攻撃から76年を迎えた7日朝(日本時間8日未明)、犠牲者を悼み、米退役軍人をたたえる式典が真珠湾に面した公園で開かれ、米軍関係者や日米の招待客ら約2千人が出席した。攻撃が始まった午前7時55分(日本時間8日午前2時55分)に合わせ、黙とうをささげた。
オバマ前米大統領と安倍晋三首相が昨年末、攻撃で撃沈された戦艦アリゾナの上に浮かぶ記念館で献花し、恩讐を乗り越えて強固な同盟関係構築を示した歴史的訪問から初めての式典。退役軍人からは「和解が進んだことは素晴らしい」との声が上がった。

7日、真珠湾攻撃から76年を迎え、米ハワイで行われた追悼式典(共同)